今回は片押し2ポットキャリパーのオーバーホールです。 4ポット・6ポットでも基本、同じ作業です。対向キャリパーはピストンを抜くのが面倒! ブレーキのオーバーホールは、それ程難しい作業ではありませんが、不具合があると即、事故に繋がる最重要部品です。必ず整備士監督の元実施しましょう。当サイトでは、万一事故が発生した場合でも責任は負いません。 |
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キャリパーを車体から取り外したら、ピストンを取り外します。 絶対にキャリパーから手を離してね。勢いよくピストンが飛び出しますから、指が潰れますよ。 |
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ピストンが取れたら、手前のダストシールと奥のピストンシールを、ピックなどで取り除きます。 |
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すべての部品を洗剤を使用して洗浄します。シールの填っていた溝はフルードカスが溜まっていますので、歯ブラシなどを使ってきれいに清掃して下さい。 |
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乾燥が終わったら、ダスト・ピストンシールにラバーグリス薄く塗って、ボディに組み込みます。ピストン頭の角にもラバーグリースを薄く塗り、真っ直ぐ押し入れます。少し回転させながら入れると入りやすいです。シールの溝に、たっぷりグリスを塗りすぎると、ピストンが入りませんので薄くね! 指で押す力でスムーズに入らない場合、無理に押し込まないでくださいね。シールが脱落・破損して組み込まれると非常に危険です!
絶対にパッドの表面には塗ってはダメですよ。 |
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すべて組み込んだら車体に取り付け、オイルラインを付けてエア抜きを実施します。 オイルラインのメタルワッシャーは新品にしましょうね。 |
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今回使用した物 | ||||
ブレーキピストンロッキングプライヤー | Oリングピックセット | ブレーキパッドグリス | ラバーグリース |
ブレーキフルードについて: ブレーキフルードは、吸水性が非常に高いのでボトルのキャップは作業ごとに閉めること。 塗装面に付着した場合、即、水で流すこと。塗装がブヨブヨになります。 フルードの種類には、DOT3 DOT4 DOT5 など種類があります。必ず指定の物を使用してください。主に2輪はDOT4 一部DOT5 通常、マスターシリンダーキャップに記載があります。 |
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エア抜き基本動作: ブレーキレバーを握りながらキャリパーにあるニップルを緩める。 (フルードがニップルから出る) キャリパーにあるニップルを閉めてブレーキレバーを離す。 (フルードがカップから吸い込まれる) これがオイルを交換する基本動作です。 キャリパーニップルにはホースとタンクを付けて実施してくださいね。垂れ流しちゃダメですよ。 |
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フルード交換: マスターシリンダーカップのフルードを抜きとります。エアブリーダーや注射器を使うと簡単。 上記が無い場合は基本動作を繰り返し、カップのオイルが無くなる手前まで実施します。 オイルが無くなったら、新しいオイルをカップに入れて、キャリパーのニップルを緩めエアブリーダーで吸い出します。エアブリーダー無ければ基本動作を繰り返します。 キャリパーニップルから、綺麗なフルードが出てくるまで実施。カップのオイルが無くならいように注意。 |
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エア抜き: フルード交換が終えたら、ブレーキレバーを握ったり離したりを繰り返し、スカスカのレバーが硬くなるまで繰り返します。この際、握ったときにリターンポートからフルードが飛び出しますので(カップの底にあります)蓋をのせておく事。飛び出す事は確認してください。エアが入ってる場合は、泡が出てきます。 飛び出さない場合はレバーの遊び調整不良(遊びが無い場合)や、ポートの詰まりが考えられます。(別体式タンクの場合は飛び出しません) エアは上に上がってきますから、ホース上部やマスターシリンダーを軽く叩きながら行うとGOOD。 タッチが出たら、最後に数回エア抜き基本動作でフルードをニップルから抜きます。 何度やっても思うようなタッチが出ない場合、キャリパーニップルから注射器を使ってフルードを入れる方法もあります。 最後に思いっきりレバーを握り込み、バンジョーボルト接続部、ニップル部、キャリパーピストン付近からフルードが漏れない事を確認して下さい。 |
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使用工具 | |||
フルードを使う分だけ移して使用したり、水を入れておくと便利です。 | エアコンプレッサーがあれば簡単に! | DOT4 | DOT5 |
手動でフルード交換する場合に必要です。 | あったら便利?どうしてもエア抜きがきっちり出来ない場合の裏ワザでも使用。 |